東京モーターショー視察

■ 10月30日(水)~31日(木)東京モーターショー2019視察

第46回東京モーターショー2019が、東京臨海都心で開幕しました。

かつては、ワールドプレミアの新モデルが勢ぞろいするなど、世界的にも屈指のモーターショーでしたが、最近では、世界一の自動車大国である中国で開催される、北京ショーや上海ショーにすべて持って行かれている感があります。

また、来場者数も、第29回(1991年)に記録した201万人に対して、ここ数回は80万人前後にとどまっており、 今年のモーターショーでは、海外主要メーカーの多くが、 早々に 出展の取りやめを決定してしまいました。

こういった中、東京モーターショーもこのままではまずいと言うことで、思い切った方向転換を試みていました。

具体的には、これまでの「自動車その物を中心としたモーターショー」から、「未来の生活とその中の移動手段をテーマにしたモビリティーショー」への転換です。

自動車産業自体が 「CASE」 など、100年に1度と言われる大変革期にありますが、これはきっと明るい未来のために神様が与えてくれた試練なのかもしれません。

この先には、皆がワクワクする夢のような未来が待ち構えているはずで、このことを皆で共有する場が、今回の東京モーターショーなのだと思いました。

一方で高田はこれまでの新型車の開発者の立場から、県議会議員と言う生活者の代表と言う立場に変わったこともあり、社会問題に対する各社の対応状況などについて確認をしてきました。

①免許返納後の生活交通

アイシン精機の「チョイソコ」が現実に即していて良さそう。

既に、愛知県の豊明市で試験運転が開始されているが、スマホを操作できないお年寄りの実態を考慮したり、地元商店や自治体と連携をとるなど、うまいモデルになっていると思う。

現在、担当者と連絡を取り、更に詳細について確認中。

②高齢ドライバーの誤操作抑制

自動車の用品を扱うメーカーで、アクセルを急に踏んだ時や全開にすると、誤操作と判断し、加速しない装置が出品されていた。

なんでも、もうすぐ発売開始(しかも安価!)とのことだが、自動車の法規や誤作動の問題など、どこまで確認できているのか少し心配。

とは言え、明らかにお客様のニーズはあるわけで、自動車メーカーとしても早急に対策を行うべきと思う。

③あおり運転抑止

所謂ドライブレコーダーも進化している。

簡単取り付け、高精細、360度がトレンドのよう。

④災害時の電源供給

日産や三菱では、EVを活用して災害時の電源供給を行う提案を行っていた。

イニシャルコストとして、EV購入+ V2H機器購入+太陽光システム購入などが必要であり、なかなか容易ではなさそう。

これに対して、三菱自動車とサニックスが提携してEVと電力のセット販売を始めるとのこと。

これは面白そう。。。

➄渋滞緩和

現在渋滞予測では、道路交通情報通信システムセンターが管理するVICS情報と、自動車メーカーが管理するプローブ情報が使われているが、両者をうまく活用しきれていなかった。

そこで、東京オリンピックでの渋滞緩和を狙い、VICS情報を補完する形でプローブ情報を収集し道路交通情報を生成・活用する取り組みを試験的に行うとのこと。

こういった官民の垣根を取り外した活動がどんどんと増えて欲しいものである。

⑥トラックドライバー不足

トラックドライバー不足の現実的な解決策として、高速道路における「トラック隊列走行の後続車無人システム」がある。

これができれば、大型トラックが3~4台連なって走っても、ドライバーは1人で済む。

既に、公道実証実験も行われており、実用化が近いと期待していたが、技術的な目新しさが少ないためか、大々的な展示は見当たらなかった。

技術開発に法整備も加えて、早急に実用化にこぎつけて欲しい。

⑦駐車場不足

コンチネンタルのブースで紹介があった。

駐車場の位置情報に加え、価格、営業時間、更にリアルタイムの空き情報が提供される。

空き情報の提供には、駐車場側のシステム対応が必要になる。

既に欧州など14ヶ国でサービスを開始しており、モバイル決済にも対応する。

今後は、路上の駐車場についても空き情報が提供できるようにするとのこと。

⑧横断歩道一旦停止

JAFにて2016年に実施した、「交通マナーに関するアンケート調査」の結果、「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い」と思う人が86%いたとのこと。

その後、毎年全国で実態調査を行うことで、マナーの改善につなげていこうというもの。

広島県の停止率は、2018年調査では1.0%と全都道府県中ワースト2位でした。

ところが2019年の調査結果では、停止率が17.5%に向上し、全国平均並みに改善しました。

確かに、ような調査を実施し公表することで、ドライバーの意識が変わり、少しづつですがマナーが改善すると言うことは、非常に良い取り組みだと思います。