会派県内視察

■ 12月2日(月) 広島市東区

民主県政会で、改選後3回目の県内視察を行いました。

今回は、新人の柿本議員の選挙区である広島市東区の「二葉山トンネル」、「東区役所」、「大谷川」、「JR西労組」の視察を行いました。

①二葉山トンネル

広島駅北口から、温品に向けた総延長4 km の広島高速5 号線事業の内、
1.8km が二葉山を通る「二葉山トンネル」部分になります。

二葉山トンネルは、一部住宅地の地下を通ることになるため、工事による地盤沈下などのリスクを減少させるため、従来工法よりもコスト高のシールド工法が選択されています( 下図参照)。

事業の開始にあたり、広島高速道路公社は、事業費の上限である200億円で業者を公募しましたが、業者側から当初提出された見積もりは約300億円と、約100億円のギャップがありました。

公社と業者は約200億円で契約を締結しましたが、その後、2018年9 月に工事を開始した後、工事費用の精査を行った結果、公社と事業者間に認識の違いがあることが判明し、2019年11月に契約金額を当初契約より87億円多い、1.4倍の287億円に改めることが合意されています。

②東区役所

・地域共生社会の実現に向けた厚生部の再編について、篠原区長から説明を頂きました。

地域共生社会とは、高齢者、子ども、障害者などすべての人々が、地域、暮らし、生きがいを作り高めることができる社会のことを言います。

この実現のためには、これまでの公的支援の縦割りサービスを改め、個人や世帯の抱える複合的課題などへの包括的な支援や、分野をまたがる総合的サービス提供の支援を行う必要があります。

このため東区では、地区担当保健師を増員し、担当地区全体のマネジメントを地区担当保健師が担当することで、支援が必要な世帯などへの迅速かつきめ細かい対応を可能にしました。

また、地区担当保健師が関係機関と連携し、地域団体などから得た情報をまとめた地域資源マップを作成したり、地域包括支援センターや区社協等の連携を強化した活動を行っています。

・平成30年7月豪雨災害の対応状況について、 建設部長より説明を頂きました。

東区では、土砂災害により、馬木地区で1名の方が亡くなられたほか、住家被害については183棟(全壊20棟、半壊17棟、その他)が発生しました。

特に福田地区、馬木地区では大規模な土石流の発生による道路や民地内への土砂の流入、戸坂地区では戸坂川の増水による浸水、温品地区では道路崩壊による通行止め、その他の河川においても、流木・土石流による護岸の崩壊など、大きな被害が発生しました。

この様な中、被災された方の心身の健康管理や生活再建に向けた支援においては、上述の「地区担当保健師」が日ごろから町内会長など地域の関係者と顔の見える関係が出来ていたため、きめ細かく支援を行うことができました。

③大谷川

7月豪雨の際、広島西部山系の大谷川では、複数の山腹斜面において表層崩壊が発生し、土石流と流木により下流の広島都市高速1号線、県道70号線が通行止めとなったほか、大規模な住宅団地に大きな被害が発生しました。

この対策として国土交通省中国地方整備局では、今後5年間の内に、砂防堰堤3基の建設を予定しています。

これらが完成すると、現在レッドゾーンと指定されている下流の地域も、イエローゾーンに変更される予定です。

④JR西日本労組

7月豪雨により、広島県内でも、山陽本線、呉線、芸備線など、大きな被害を受けました。運転再開までの間、乗客の新幹線による在来線代替輸送や、バス代行輸送、船舶輸送を行うと同時に、貨物も迂回輸送を行いました。

これらにより、平成31年3月期決算では、215億円の特別損失を計上することになりました。

JRは、地域の経済を支える重要な社会インフラです。

今後は、地域とJRが協働で防災対策を実施するなどに備えが必要と思われます。