会派県外視察

■12月18日(水)会派県外視察@沖縄

民主県政会の、総務委員会、文教委員会、商工労働委員会のメンバーで、沖縄県の、「MICEネットワーク事務局」、「修学援助児童支援NPO法人エンカレッジ」の視察を行いました。

①MICEネットワーク事務局

沖縄県は、成長するアジアの玄関口に位置し、MICEは、アジア経済の活力を取り込み、経済成長を加速させる重要なプラットフォームになります。

一方で、施設規模の制約などから大規模な会議や国際展示会などの取り込めないなどの機会損失も発生しています。

そこで、MICEが新しいステージを迎えるにあたり、経済界、業界団体、大学、行政機関などの関係者が、MICE振興に係る様々な解決に取組むための枠組みとして、「沖縄MICEネットワーク」が 平成29年に設立されました。

沖縄MICEのブランドエッセンスは、次の3つを基軸としています。

・沖縄は寛容ですべての人々を受け入れる(万国津梁の思想)

・沖縄が有する自然により創出される非日常的空間

・アジアと日本のビジネスをつなぐ都市機能・産業基盤と、亜熱帯・海洋島嶼型の先進課題研究の集積

これをもとに、MICE推進事務局では、誘致広報活動、開催支援、受入体制整備、県内MICE推進体制の構築を行っています。

この結果、平成30年度は日本政府観光局(JNTO)の「国際会議誘致開催貢献賞」や、「JAPAN Best Incentive Travel Awards 2018」にも選ばれました。

②修学援助児童支援NPO法人エンカレッジ

日本平均で7人に一人が貧困家庭と言われる中、沖縄県では早期から取り組みを開始されており、そのノウハウなどをヒアリングしました。

エンカレッジの会長は、現在まで約27年間、塾の講師をされています。

そんな中で、経済的な理由で学習塾に来ることができない子供が沢山いる状況を目の当たりにしてきました。

この様に、教育が行き届かない状況では、地域の永続性や、企業の永続性が担保されていかないのではないかと考えました。

母子家庭の子供の中には、その親も母子家庭だったと言うようなケースもあり、まさに負の連鎖が続いているように感じ、これを断ち切るために、平成19年にNPO法人エンカレッジを設立しました。

教育→社会→経済と言う流れで見ると、沖縄県の教育状況はほぼWorst1、社会的問題に直面している家庭も多く、経済面でも困窮世帯が多いのが実態です。

沖縄の貧困率は、29.9%、約94500人と言われています。

この状態では、次のサイクルでも子供たちに投資ができず、負の連鎖が続いていく可能性が高いため、この連鎖を断ち切り、良い連鎖につなげるために、一番最初の「教育」の部分に力を入れるべきと考えました。

これまで底辺を構成していた、光の当たらなかった子供たちに光を当てることで、夢や希望をもたせ、おのずと頑張っていけるように仕向ける、そういった社会の仕組みが必要と考えました。

事業内容は、行政受託事業として、高校入学までを対象とした「居場所型学習支援教室」、自主事業として、「児童養護施設運営サポート」、「家庭教師」、「高校生フォローアップ教室」を行っています。

エンカレッジ生徒の特長として、約7割の生徒が「自己肯定感が低い」。

愛情とか、教育とかが薄く、逆に何かがあると、怒られたり、責められたりするような環境で育っているため、自分の意見もなかなか言えないし、自分がそこに存在していることすら半信半疑なことが有ったりします。

この様な子供たちに対して、通常の学校や塾が行っているような対応ではダメで、福祉的要素が必要です。

ここが安全で安心な場所であること、我々は、何があっても見捨てることはしないことを理解してもらうことが大切です。

そのうえで、教育(特に生活面の教育)を行い、さらには社会に出て活躍してもらうことが、ゴールになります。

生活面の教育は、勉強と異なり、評価がしにくく、生徒たちも何をどの程度やればよいのかわかりにくいので、可視化し評価することに取組んでいます。

例えば、「挨拶ができる」、「時間を守ることができる」、「整理整頓ができる」などがランク1、「忘れ物をしない」、「周りに迷惑をかけない」などがランク2、ランク4では、「自分で短期目標を設定し計画的に取組むことができる」などです。

大切なのは、何れも、「何故なのか?」を同時に教えることです。

それぞれの特性、多様性に合わせた物差し(例えば、学力、IT力、福祉力、行動力、発想力など)を作り、それぞれの良さを企業に売り込み、企業側に受け皿ができれば、これまで弾かれていた子供たちも、しっかりとした労働力になりうると信じています。

社会で活躍できる人材になってもらうために、社会力(寄り添い力)、学力(専門スキル)の両方を伸ばすよう、これからも取り組んでいきます。