■ 8月20日(木) 広島西飛行場跡地
今回の調査の目的は、広島西飛行場の利用計画と工事の進捗状況と課題について確認するというものでした。
広島県庁の都市機能調整担当監から、説明を受けた内容をご紹介いたします。
<調査結果>
(全体概要説明)
1.現在に至るまでの経緯
・1993年: 新広島空港供用に伴い「広島市西飛行場」に名称変更
管理者が国から、広島県に移管
・2010年: 定期航空路線が全廃
・2012年: 広島西飛行場としての供用廃止
敷地北側を広島へリポートとしての供用開始
・2017年: 広島県と広島市で「広島西飛行場跡地利用計画」を策定
・~現在: 計画に沿って各事業を進捗中
2.跡地利用計画のポイント
・主たる導入機能とゾーニング
跡地の持つ高いポテンシャルを活かすと同時に、県市の上位計画を踏まえ、
以下の4つに区分する
①広域防犯エリア(防災機能)
広島へリポート、緊急消防援助隊などの用地とし、
災害時の消防・輸送拠点とする
②新たな産業(雇用)エリア(産業機能)
イノベーション型産業施設、本社機能を持つ事務所、工場、物流施設などを
誘致し雇用創出と産業基盤強化を狙う
③スポーツリクリエーションゾーン
多目的スポーツ広場、野球場などにより、
県民市民が活用できるスポーツ施設を整備する
④新たな産業(にぎわい)エリア(観光/商業機能)
体験パビリオン、フードコート、リゾートホテルなど、
民間事業者活用しにぎわいと交流を創出
・道路ネットワーク
ゾーンが有機的に機能するために、基盤となる道路ネットワークの整備が必要
①基幹道路(県道南観音観音線)
4車線化、クランク部の解消により、円滑な交通を確保。
また、歩行者、自転車及び自動車を分離し、安全性と快適性を確保。
②広域防災ゾーンの河川側道路
新設し、災害等緊急時における交通機能を確保
③南伸道路
新設し、スポーツリクリエーションゾーン、にぎわいゾーンへの
交通アクセス確保
④区画道路(雇用ゾーン内)
ゾーン内へのアクセス道路として民間事業者が整備。
3.計画の進捗状況
・雇用ゾーン
①北側エリア:2019年5月に大和ハウス工業に売却済み。現在整備中。
②南側エリア:大和ハウス工業の事業予定地だが、未売却。
基本協定書の締結に向け協議中。
・③スポレクゾーン(県市共有地)
H30年7月豪雨の土砂置き場になったり、
MICEの検討の対象地となったり で、事業着手が遅れた。
今年度、測量、地質調査に着手。多目的スポーツ広場として、
ソフトボール及び少年野球場4面(使わないときにはサッカー場2面)を
整備予定。県全体で広域的な、全国大会規模の大会などが行えるよう、
施設の配置やグレードについて広島市と共同で検討中。
・④にぎわいゾーン(県市共有地)
H29年度に雇用ゾーンと合わせて民間公募を行った結果、
一社の提案はあったが、採用されたなかった。
現在はコロナの影響もあり民間が投資に積極的ではないが、
有効な利用法について広島市と共同で検討中。
・➄マリーナホップ
2025年までは賃貸借地の契約。それ以降については、商工労働局で検討中。
(主要質疑内容)
Q1:
スポーツリクリエーションゾーンを全県大会などで使用するとなると、あまりにも狭すぎる(少年サッカーの大会でも、10面ぐらいは必要)。例えば、近隣の山陽高校と連携し、サッカー場を借用するとか、宇品のサッカー場と連携するとかネットワーク化し誘致につなげるなどの取り組みが必要。
A1:
仰るようにネットワーク化が必要。広島市の中でも、特に少年野球場が不足しており、カープ球団からも寄付をいただいている。全体として過不足が無いように、検討を継続する。
Q2:
マリーナホップも一時期のにぎわいは無い、「にぎわいゾーン」を含めて、慎重な検討が必要
Q3:
大和ハウス工業の倉庫は、最新鋭の自動化倉庫と聞いている。大きな雇用の創出につながるのだろうか
A3:
大和ハウスから工業からは、現在の北側エリアだけでもまとまった雇用があると聞いている。
Q4:
「陸揚げスロープ」は何のために使うのか? また現在の進捗は?
A4:
当初は、観音マリーナに係留する場合や、全国的なヨット大会に参加する場合などに使用することを想定し計画。現在民間ヒアリングを行いながら、要否を含めて検討中。コロナ下であることを考慮し、あまり結論を急がずに、しっかりと業者などの意見聴取を行う計画。
Q5:
広島都市圏に残された数少ない平地であり、広島県下全域に効果が波及するような活用を行うべきである。