■ 12月1日(火) 広島県消防学校
■調査の背景/目的
広島県内の消防本部(局)においては、火災や災害から県民の命を守るために、警防・予防・救助・救急の業務を担っていただいています。
そのための人材を育成するために、広島県消防学校は,県内の消防職員及び消防団員が消防業務を適切かつ安全にできるよう教育訓練を実施しています。
そこで、コロナ下においての取り組みの状況と課題について調査を行うこととしました。
・調査場所 広島県消防学校
広島市安佐北区倉掛二丁目33番2号
・出席者 有馬校長
松岡教頭
川本教務課長
広島県民主県政会 14名
■説明内容(有馬校長)
1.学校概要
・沿革 昭和23年 広島市霞町に消防学校を設置
昭和31年 広島市中区基町に移転
昭和34年 広島市西区観音新町に移転
昭和57年 現在地に校舎を建設し移転(現在38年目)
平成3年 水難救助訓練施設(プール)竣工
平成26年 実践的消化訓練施設及びガレキ救助訓練施設竣工
・組織
・職員数
・施設の概要
-土地 36,879㎡
-建物 本館 2階建て
学生寮 3階建て
屋内訓練場 平屋一部2階建て
訓練塔 地上8階地下1階
実践的消化訓練施設 地上4階
屋外訓練場 グランド
水難救助訓練施設 プール
ガレキ救助訓練施設
車庫、その他
・教育訓練の概要
<基本方針>
社会情勢の変化や技術の発展に的確に対応するために 、 住民から期待される水準を充たす消防に係る知識及び技能の効率的かつ効果的な修得を図り 、 もって適切公正,安全かつ能率的に業務を遂行できるよう 、 消防職員及び消防団員の資質を高めることを教育基本方針とする。
<訓練内容>
教育訓練は大きく「消防職員教育」と「消防団教育」に分かれる。
例えば、一番教育期間が長い消防職員初任教育では、合計805時間の教育が必要。ここ数年は職員の大量退職の反動で初認教育対象者が多かったため、前後期4か月毎の二期に分けて教育を実施(602時間分を学校で、203時間分を各本部で実施)。 来年度は、対象が100人以下のため、一期(6か月)で本部分も合わせて学校で教育訓練を実施する計画。
・令和2年度教育訓練実施状況
コロナ禍により、当初計画に対し以下の教育訓練が実施できなかった。
‐消防職員 幹部教育初級幹部科
‐消防団員 幹部教育分団指揮課程
幹部教育初級幹部科
特別教育訓練指導員科
なお、今後については当初計画通り実施できる見込み。
・年度別教育訓練実施状況
昭和23年から令和元年までに、消防職員22,929人、消防団員308,278人、一般2,626人の合計333,833人の教育訓練を実施。
令和元年は、消防職員460人、消防団員527人、合計987人の教育訓練を実施。
2.新型コロナウイルスに係る教育訓練の対応状況
・消防職員初任教育
4月20日~5月8日 休校(自宅学習)
5月11日~5月30日 缶詰方式(週末の外泊を認めない)
6月2日~ 通常通り
・その他の上述の消防職員幹部教育、消防団員教育などを中止した。
3.耐震化工事について
大規模災害時には、県内外から緊急消防援助隊が集結する拠点となること及び、教育環境の改善のために耐震工事を進めている。2019年10月から開始し2021年3月に完了予定。学生寮、屋内訓練場、本館に対して、鉄骨ブレースの追加などを行っている。