西日本豪雨から4年

■ 7月7日 慰霊碑参拝

 7月6日で、あの痛ましい西日本豪雨から丁度4年が経過したことになります。これに合わせて、大きな被害を受けた地域では、犠牲者を追悼すると同時に、二度と被災しないことを祈念する集いが開かれました。

 コロナ禍と言うこともあり、公式な行事への参加はかないませんでしたが、日を改めた7月7日に妻と2人で参拝させていただきました。

①坂町自然災害伝承公園(小屋浦)

 坂町小屋浦地区では、天地川の上流の砂防ダムが崩壊し、土石流が集落を襲い、支流域も含め15人の方がお亡くなりになられ、1人の方は未だ行方不明です。

 「坂町水害碑」は、次の世代にも被害の実相を伝えていくために昨年建立され、その象徴として地区の川で見つかった約16トンの巨石も置かれています。

 また「災害伝承ホール」も今年の4月に開館し、パネル展示や映像を通して災害の実態を伝え、災害時への備えや避難行動について学ぶなど、防災意識の向上のための取り組みが行われています。

 

②大原祈念公園(川角)

 熊野町川角の大原ハイツでは、団地背後の山頂付近から大規模な土石流が2箇所発生し、大量の土砂・流木と大きな岩石が直下の家屋を押し流し、12人の方がお亡くなりになりました。

災害碑には、町内の中学校に募り住民の方々が選んだ「未来へ繋ぐ、尊い命の大切さ」と記されています。

花壇で囲まれた公園は、被災の歴史を後世に伝える場となると同時に、防災倉庫も設けられ、万が一の時の災害復旧拠点になります。

府中町の河川関連工事

■ 4月22日 府中町の河川関連工事の進捗フォロー

平成30年豪雨から、この7月で3年を迎えることになります。この間、大物の砂防堰堤の設置や急傾斜地対策は着々と進められてきました。一方で身近な河川では、いまだ大型土嚢がおかれたままであったりし、進捗状況を気にされている方が多いのも実態です。そこでこの度、特に問い合わせの多い、府中町内の榎川、府中大川の災害復旧状況について、広島県庁の西部建設事務所に棚卸をしていただきましたので報告します。

1.みくまり3丁目付近(榎川)

①みくまり病院前、御衣尾橋周辺

 ・現状   :護岸復旧工事中

 ・今後の予定:梅雨前に工事完了予定

②無名橋周辺

 ・現状   :石積み欠損

 ・今後の予定:上記①が完了次第、護岸復旧工事着手

③角入橋上流周辺

 ・現状   :令和2年災害箇所、工事発注準備中

 ・今後の予定:業者さん決定次第工事着手

2.大通り3丁目付近(榎川)~茂陰1丁目付近(府中大川)

④府中町役場付近

 ・現状   :令和2年度入札不調、条件など見直し再度発注準備中

 ・今後の予定:業者さん決定次第工事着手(合わせて歩道のひび割れも対応)

➄府中大橋下流

 ・現状   :上流から流れた土砂が堆積、工事業者さんは決定済み

 ・今後の予定:出水期を避け、秋ごろ浚渫工事を実施

土木工事は、業者さんが不足していることから、入札不調で工事に着手できなかったり、実際に工事が始まっても天候などにも左右され、計画通りに進捗しなかったりすることが多々あります。

皆さまにも状況をご理解いただくとともに、他にも「緊急工事」が必要な場所などお気づきの際は、高田までご遠慮なく連絡をください。

よろしくお願いいたします。

天地川(上流)砂防堰堤

■ 2月12日(水) 天地川(上流)砂防堰堤視察

2018年7月の西日本豪雨では、天地川に設けられていた石積みの砂防ダムがほぼ流失し、小屋浦地区では少なくとも16人が亡くなられました。

この対応として県では、地区を流れる天地川と支流の計8カ所に計9基の砂防ダムを設ける計画です(下図の赤い記号部)。

そしてこの度、天地川(上流)(上図の①)の完成に合わせて、現地視察を行わせていただきました。

完成した砂防堰堤は、横63m、縦12.5mの透過型と呼ばれるタイプで、今後大雨により土石流が発生しても、大きな岩、流木などを含む土砂は、堰堤に引っかかり止まる設計になっています。

また、 堰堤に岩、土砂、流木などがたまった場合には、次の土石流に備えて取り除く必要があります。

現場でお会いした、住民福祉協議会長は、「砂防堰堤などの整備が進んでいることに対し、関係者の皆様に感謝しています。一方で、唯一のスーパーが撤退してしまったため、高齢者が多く、みな買い物に困っています。」と話されていました。

また、坂町支え合いセンター長からは、「これまでは、生活再建のスピード差で悩まれている被災者の方が多かった。これに対して最近では、仮設住宅からもともと暮らしていた場所に戻ることができたにもかかわらず、生活環境など、以前との違いに悩まれている方が増えてきました。」と、心のケアのフェーズが変わってきつつあることを教えていただきました。

加えて、「次いつ発生するか分からない災害に備えて、コミュニティの繋がりを強化していくこと、すなわちお互いに困ったときに、「助けてください!」と素直に言える関係を築いておくことが重要です。」と言われていました。

現場にずっと寄り添ってこられた方からの言葉に、心が洗われる思いがしました。

災害の復旧復興、そして二度と災害を起こさないための取り組み、いずれも更に加速する必要があると再認識しました。

坂町と緊急避難所に関する協定

■ 7月4日(木) 坂町役場にて

 昨年の痛ましい災害にも関わらず、坂鯛尾地区では、土砂災害に対する避難所の確保が難航していました。そのことを、吉田町長からお聞きし、なんとか梅雨入りまでに、「マツダトレーニングセンター(MTC)鯛尾」を緊急の避難場所として使えるようにできないかと調整を続けてきました。

 そして、今回めでたく、坂町とMTC鯛尾の間で、「土砂災害時緊急退避施設としての使用に関する協定が締結されました。

 普段MTC鯛尾では、全国のマツダ車のサービスエンジニアが集まり、技術研修を受けています。そしてこの度、建物の一部の共有スペースを臨時の避難所として提供するはこびとなりました。

提供できる避難場所は、本館の1Fロビーと応接室、2Fの談話室、3Fの講堂で、収容人数は約350人です。

 MTCセンター長は、昨年の災害時、自らも出先から帰れなくなるという厳しい経験をしており、今回の協定締結に向けて、積極的に動いていただけました。

 また、MTCの担当者も、「鯛尾地区に事務所を置き働く我々も、鯛尾地区の住民の一員だと認識しています。こうやって、地域の皆さんのお役に立てることができ、とても嬉しく思います」と、さわやかな笑顔で語っていたのが印象的でした。

 鯛尾地区の皆さん、土砂災害の危険が高まったときは、「MTC鯛尾」を是非とも活用ください。

 行政としても、危険箇所の修復などハード的な対応を急ぎますが、あまりにも広範囲にわたるため、一朝一夕では対応しきれません。

従い、しばらくの間は、兎に角「避難」をしてください。

そのための避難所です。

活用をよろしくお願いいたします。